「奨学金の返済が免除されることってあるの?」という疑問をお持ちの方へ。
日本の奨学金制度の中でもっともメジャーな「独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度」では、返済が免除される2つのケースがあります。
1つ目は「大学院在学中に特に優れた業績をあげた場合」。
2つ目は「死亡または心身の障害により返還できない場合」です。
この記事では、奨学金の返済が免除される2つのケースについて、対象者や免除されるまでの道のりをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
奨学金が免除されるケース1:大学院在学中に特に優れた業績をあげた場合

日本学生支援機構の奨学金には、「特に優れた業績による返還免除」という制度があります。
大学院で第一種奨学金の貸与を受けた奨学生のうち、「特に優れた業績」をあげ、その業績が日本学生支援機構に認められた人だけが、奨学金の全額もしくは半額の返済が免除される制度です。
「特に優れた業績による返還免除」の対象者
- 大学院の第一種奨学生で、当該年度中に貸与が終了する人
- 大学院在学中に特に優れた業績をあげた奨学生
「特に優れた業績」というのは、学問の分野での並外れて優秀な成果や発見・発明、あるいは文化・芸術・スポーツなどの分野での驚異的な活躍、ボランティアなどでの大きな社会貢献などに当てはまります。
詳しい評価基準については、日本学生支援機構のウェブサイトにてご確認ください。
▼参考:日本学生支援機構「特に優れた業績と評価方法」
「特に優れた業績による返還免除」の制度を受ける道のり
「特に優れた業績による返還免除」の制度を利用するためには、奨学金の貸与が終了した年度内に、奨学生自身が在学する大学長に申請し、大学長から日本学生支援機構へ推薦してもらう必要があります。
推薦後は業績優秀者奨学金返還免除認定委員会による審議があり、それが通れば晴れて返還免除が決定。毎年6月下旬頃になると申請者へ結果が通知されます。
申請方法
日本学生支援機構「手続きの概要」より
(1)国内の大学院の場合
大学から「業績優秀者返還免除申請書」を受け取り、大学の指示に従って、特に優れた業績を証明する資料等とともに提出してください。
(2)海外の大学院の場合
海外の大学院留学中に貸与を受けた第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)について申請する場合は、国内連絡先へ送付される募集要項等を確認し、申請に必要な書類を全て揃えたうえで、募集要項等に記載している本機構返還免除課宛に簡易書留などにより郵送してください。
なお、具体的な申請期間については各大学に直接確認してください。毎年12月に日本学生支援機構が大学に対して推薦依頼を行い、この推薦依頼を受けてから大学側が学内での申請期間を設定しています。
奨学金が免除されるケース2:死亡または心身の障害により返還できない場合

日本学生支援機構の奨学金には、「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」という制度があります。
貸与を受けた本人が死亡し奨学金の返済ができなくなったときや、心身の障害により働くことができない、もしくは働くことに重度の制限がかかり返済ができなくなったときに、奨学金の全額または一部が免除される制度です。
「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」の対象者
- 死亡してしまった奨学生
- 精神または身体の障害により働くことができない奨学生
- 精神または身体の障害により働くことが非常に困難な奨学生
「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」の制度を受ける方法
奨学生本人の死亡や心身の障害によって返済が難しくなってしまった場合は、まず日本学生支援機構に相談してください。
状況に応じて申請に必要な書類が自宅に送付され、申請後、審査が通れば返還免除を受けられます。
▼参考:日本学生支援機構「死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除」
まとめ
今回は、奨学金の返済が免除されるケースについて、詳しくご紹介しました。
改めてポイントをまとめます。
【奨学金の返済が免除される2つのケース】
- 大学院在学中に特に優れた業績をあげた場合
- 死亡または心身の障害により返還できない場合
奨学金の返還免除はハードルが高く、誰にでも適用されるわけではありません。もし経済的に奨学金の返済が難しくなってしまった場合は、「減額返還」や「返還期間猶予」などの制度に頼ってみるのも1つの手です。
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